この生が文学でありますように

もう一年無職だし情熱も下半身もそんなにないし、

かといって不感症というほどでもない。

そろそろ働いて社会とのつながりを感じたいと思うけど、

いま生かされている以上、人並みとまではいかないが、

多少は感じることはできている。ただロマンスは足りない。

 

こうした状況に甘んじているのは、

きっと自分がそういう文学でありたいと願っているからだと気付いた。

 

ダサさの極みを承知の上で、好きな小説は「ライ麦」と宣言するし、

きっと真面目すぎてストレス過剰だった自分を変えた一冊だと思ってる。

鬱屈した思いがわかりやすくレジスタンスな行動にあらわれてる、

そのホールデンが痛快無比だった。

真面目はやめようそして座右の銘は「適当」(となりの山田くん

 

反抗を試みる人は多いが、ポスト冷戦の今、

それが広く大衆に認められうるのは、

「逆境からの成功」という物語のみ。

 

学友に「お前終わってんなぁ」と言ってくれた男がいた。

氏は貧困家庭で苦労していたため、稼ぐというモチベが高かった。

軽音サークルでパンクは形じゃなくてハートなんだよ的なオリジナル書いたり、

銀杏演奏したりしてた、わりとカースト上層で大手商社おめ。

ひがみでなく是即ち「逆境からの成功」譚。

 

そういうのではなく。

右よりも左に惹かれるのは臆面もなく理想論を語り続けるからじゃなくて、

何よりもベースにレジスタンスがあるから。

 

アート界隈にもいっぱいおるやろけど、

アートの人じゃないからなんか馴染まない。

 

でも理解されやすい反抗の形じゃなくていいから、

ささやかな反抗心は持っておきたい。

そんな思いがもたらしたこの生活に愛着がないわけがない。

 

ポピュリズム

焦燥感を抑えるために自己正当化の物語をどう構築するかが大事で、

自分の生がささやかな反抗の物語として語られることを望んでいるから、

いまはこうして税金滞納してビットコインで負けているしこれからもそう。